当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

偽物のエキストラバージンオリーブオイルが流通する背景と手口とは

食器に盛り付けられたオリーブの果実とオリーブオイル
この記事は約5分で読めます。

近年、オリーブオイルは料理分野だけでなく、健康・美容分野でも大変注目されています。しかし現在、日本で販売されているエキストラバージンオリーブオイルの80%以上は偽物といわれています。
ここでは、偽物のエキストラバージンオリーブオイルが、生み出される原因と手口について説明します。

エキストラバージンオリーブオイルは偽物だらけ!?その原因とは

エキストラバージンオリーブオイルの貿易統計の不思議

まず、オリーブオイル生産量第2位のイタリアの貿易量を見てみましょう。
当たり前のことですが、イタリアのエキストラバージンオイルの総輸出量と各国がイタリアから輸入した量の合計は一致しなければいけません。( イタリアの総輸出量=各国がイタリアから輸入した量の合計 )しかし統計を見ると、アメリカ・日本・オーストラリアなどの主要輸入国がイタリアから輸入した量の合計は、イタリアの総輸出量を大きく上回っています。(イタリアから各国への輸入量の合計 > イタリアの総輸出量)つまり、増え続けるエキストラバージンの需要に供給が追いかないという状況の中で、流通のどこかで偽物のエキストラバージンが量産されているのです。

国際オリーブ協会(IOC)の品質規格制度の問題

エキストラバージンの品質規格は、国際オリーブ協会(IOC)で厳格に決められ運用されているはずなのに、なぜそのようなことが起きるのでしょうか。エキストラバージンの認証には、理化学的分析と人による風味分析に合格することが必要ですが、実際には検査は厳格に行なわれていないことがその原因です。EUはオリーブオイルの生産と輸出を振興するために、これまで莫大な補助金を出してきましたが、この補助金を食い物にする勢力の影響でIOCの厳格な品質規格制度が有効に機能できていないのです。

国際的な分業体制の弊害

オリーブオイル業界で行われている国際的な分業体制も、偽物が生み出される背景になっています。オリーブオイル業界は、オリーブの栽培からオリーブオイルの製造、販売まで手がける少数の生産者を除けば、栽培農家、搾油業者、オリーブオイルブローカー、びん詰め業者、販売者という国際的な分業体制ができています。その結果、栽培農家や搾油業者は自分が生産したオリーブオイルが、どういう等級になり、どういうブランドで、どこで売られているかなど、全く分からないのです。これが、偽物のエキストラバージンオリーブオイルが生まれる原因になっています。

日本におけるオリーブオイルの法整備の遅れ

また日本においては、JAS法(日本農林規格)で、「エキストラバージンオリーブオイルの遊離酸度は1%以下」という規格がありますが、等級の表示については全く規制がありません。ですから日本では遊離酸度は1%以下であれば、どんなに低級なオリーブオイルであっても、ラベルにエキストラバージンと表示をすることができるのです。さらに日本には「びん詰めされた場所が所属する国を原産国とする」という法律があるため、びん詰めがイタリアでされていたら、たとえ中身のオリーブオイルが他の国で作られていても、「原産国はイタリア」と表示しても良いのです。

「日本で販売されているエキストラバージンオリーブオイルの80%以上は偽物」だということが、これらのことから、お分かり頂けたのではないかと思います。
エキストラバージンオリーブオイル需要は毎年増え続けていますが、生産されるオリーブオイルの中でエキストラバージン規格に合格するのは20%以下です。そのため、エキストラバージンの需要に対して供給が全く追いつかない状況です。このことが、偽物のエキストラバージンが大量に生み出される背景となっています。次に、低級なオリーブオイルが、どのようにして偽物のエキストラバージンに化けるのか、その手口について説明します。

低級なオリーブオイルが偽物のエキストラバージンに化ける!その手口とは?

低級なオイルを混ぜる手口

これは、バージンオリーブオイルに、ピーナッツオイルやひまわり油、大豆油などの安い油を混ぜてエキストラバージンにするやり方です。その他に、混ぜ物として精製オリーブオイルや低級なオリーブオイルを使うこともあります。こうして作られた偽物のエキストラバージンには、偽物と気づかれないように、酸度の調整や緑の色素を加えるなど偽装処理が行われています。

不正にエキストラバージンを名乗る手口

これは、本来、受けるべき風味試験を受けず、または受けても形だけの試験で、低級のオリーブオイルをエキストラバージンとするやり方です。その背景には、生産効率優先と国際的分業体制があります。オリーブの果実は大変傷みやすいため、収穫してから12時間以内に搾られるのが理想ですが、現実は、効率を優先して何日分もまとめてから搾油されるのが一般的です。また、オリーブ栽培農家と搾油業者が完全に分業化しているために、収穫してから搾油まで何日も経過してしまうことも多いのです。このようにして作られたオリーブオイルの大半からは、カビ臭さや腐ったような臭いがあり、とてもエキストラバージンと名乗れるものではありません。

まとめ

現在、日本で販売されているエキストラバージンオリーブオイルのなかで本物は20%以下と言われています。誤って偽物のエキストラバージンオリーブオイルを買ってしまわないよう気をつけましょう。

あわせて読みたい
本物のエキストラバージンオリーブオイルの簡単な見分け方と選び方
現在、日本で販売されているエキストラバージンオリーブオイルのなかで、真に本物と呼べるエキストラバージンは、20%程度しかありません。その原因は、エキストラバージンの品質検査が厳格に行なわれていないためです。また、日本においては、JAS法で等級の表示について全く規制がありません。ここでは、本物のエキストラバージンオリーブオイルの見分け方と選び方を説明します。
エキストラバージンオリーブオイルの品質規格を調べてみた
スーパーやデパートの売り場でよく目にするエキストラバージンオリーブオイル。品質の良いオリーブオイルだということは何となくイメージできますが、分かりづらいですね。ここでは、オリーブオイルの品質規格について説明します。
テキストのコピーはできません。