現在、日本で販売されているエキストラバージンオリーブオイルの80%以上は偽物といわれています。そのエキストラバージンの品質規格は、国際オリーブ協会(IOC)で厳格に決められていますが、実際には検査は厳格に行なわれていないのが大きな原因です。
また、日本においては、JAS法で、等級の表示については全く規制がありません。さらに「びん詰めされた場所が所属する国を原産国とする」という法律があるため、びん詰めがイタリアでされていたら、たとえ中身のオリーブオイルが他の国で作られていても、「原産国はイタリア」と表示しても良いのです。
このような理由から、流通しているエキストラバージンオリーブオイルのなかで、真に本物と呼べるエキストラバージンは、20%程度しかありません。ここでは、本物のエキストラバージンオリーブオイルの見分け方と選び方を説明します。
本物のエキストラバージンオリーブオイルの見分け方
オリーブオイルの品質は、酸度などの化学的数値を人工的に調整できるため、ラベルでは判断できません。たとえエキストラバージと表示されていても、それが100%本物だとは断言できないのです。そのため、本物のエキストラバージンかどうかを見極めるには、実際に人が食してその風味を確かめてみることが必要です。まずは毎年、コンテストで受賞しているような本物のエキストラバージンオリーブオイルを取り寄せてみましょう
それでは、オリーブオイルの風味を確かめる手順を説明します。
香りを嗅いでみる
低級なオリーブオイルでは、鮮度が悪いため、カビ臭さなど不快な臭いがありますが、高品質のエキストラバージンオリーブオイルには、若草やミント、ユーカリ、フルーツのような様々な香りがあります。
口にふくんで味を確かめる
オリーブオイルの独特の風味は、苦み、辛み、渋み、甘みの4つの味覚が組み合わされてできています。一つ一つの味覚について、その強弱を感じてみましょう。低級なオリーブオイルでは、独特のエグ味など嫌な味を感じますが、本物のエキストラバージンは、ポリフェノールなどの有用成分を豊富に含んでいるため、口に含んだ時、独特の苦みやピリッと喉を刺す辛さ感じます。
オリーブオイルの粘りや滑らかさなどを感じる
このようにしてオリーブオイル全体の風味を捉え、本物のエキストラバージンかどうか見極めていきます。そのためには、たくさんの本物のエキストラバージンオリーブオイルを食してみることが大切です。
本物のエキストラバージンオリーブオイルの選び方
オリーブオイルは、容器に書かれた表示を見ただけでは、実際の品質を判断することができません。それは、偽物のエキストラバージンである可能性もありますし、輸送や保存状況によっては急速に劣化が進んでしまうからです。
そこで、本物のエキストラバージンオリーブオイルの選び方を紹介します。現実にはむずかしいことかもしれませんが、オリーブオイルソムリエのいるお店で、自分の好みに合ったものを選んでもらうことが理想です。
信頼できる農園名、生産者名、ブランド名などを判断材料にする
オリーブオイルは果実の鮮度が命です。栽培から搾油、瓶詰、販売まで一貫生産している農園で作られたものであれば、ほぼ間違いないでしょう。国内外のコンテストで毎回受賞していれば、優れた品質であることの1つの証明になります。
販売価格が3,000円/1,000ml 以上であることが目安
当たり前のことですが、極端に安価なオリーブオイルに高品質は期待できません。高品質なエキストラバージンオリーブオイルを作るには、手間ひまが掛かるため安価では販売できないからです。ただし、デパートで売られているような高価なものの中にも偽物が混じっていることあるので注意が必要ですが、価格は一つの判断基準にはなるでしょう。
濃色の遮光性のある容器に入れられている
オリーブオイルは光に弱いため、透明な容器では、店頭に並べられている間に、急速に劣化してしまいます。ですから、透明なペットボトルや瓶に入れられたものは論外です。
このように、本物のエキストラバージンオリーブオイルを選ぶには、ブランド名や受賞実績、価格、容器などを目安にすると良いでしょう。本物のエキストラバージンオリーブオイルに興味がある方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。