エビを使った料理を食べていると、愛犬がじっと見つめてくることがありますよね。
「犬ってエビを食べれるのかな?」と気になりつつも、なんとなく不安で与えられないという飼い主さんも多いと思います。
実際のところ、エビは与え方さえ間違えなければ犬も食べられる食材です。
ただ、注意点を知らないまま与えてしまうと、アレルギーや消化不良などにつながる可能性もあります。
この記事では、初めて犬を飼う方にも分かるように、エビの安全性や与えるときのコツを丁寧にまとめました。
少しずつ読み進めながら、愛犬にとって無理のないエビとの付き合い方を考えていきましょう。
犬はエビを食べれる?結論と基本ルール
結論からいうと、犬は加熱したエビであれば少量なら食べても問題ありません。
ただし、安心して与えるには覚えておくべきポイントがあります。
まず、エビは犬にとって“必須の食材”ではないため、主食の代わりとして与えるものではありません。
特別なおやつとして、時々少しだけ楽しむくらいがちょうどいいと考えておきましょう。
初めて与えるときは、ほんの少しから始めるのが鉄則です。
体質によってはアレルギー反応が出ることもあるため、食べたあとにかゆみや嘔吐、下痢などがないかしっかり観察してあげてください。
また、味付けされたエビ料理は犬の体に負担がかかりやすいため、必ず“味付けなし・加熱済み・身だけ”という3つの条件を満たす形で与えるようにしましょう。
犬がエビを食べられる理由と気をつけたい根拠
犬にエビを与えること自体は問題ないものの、メリットと注意点の両方を知っておくことで判断がしやすくなります。
ここでは、エビの栄養面とリスクについてバランスよく整理していきます。
エビに含まれる主な栄養素と犬へのメリット
エビは高たんぱくで脂肪が少ないため、太りやすい犬でも量を調節すれば与えやすい食材です。
ビタミンB群やミネラルも含まれており、体の基礎づくりを支えてくれます。
さらに、アスタキサンチンという抗酸化成分も含まれており、健康維持に役立つとされています。
とはいえ、エビでしか補えない栄養があるわけではありません。
あくまで“ちょっとしたプラスになるおやつ”と考えるのが安心です。
アレルギーや消化不良が起こる可能性
気をつけたいのが、アレルギー反応や胃腸への負担です。
犬によっては、エビを食べた直後に体をかゆがったり、皮膚が赤くなったりすることがあります。
下痢や嘔吐として症状が現れる子もいます。
特に、胃腸が弱い犬・高齢犬・子犬の場合、ほんの少しの量でも負担がかかりやすいため、慎重に様子を見ることが大切です。
生エビ・殻付きエビが危険と言われる理由
生のエビは細菌や寄生虫のリスクがあり、犬の体に大きな負担を与える可能性があります。
必ず火を通したものだけを与えるようにしましょう。
また、殻や尻尾(しっぽ)は硬く、喉に詰まったり胃腸を傷つけたりする原因にもなります。
小型犬の場合は特に危険なので、身だけを与えるよう徹底することが重要です。
犬にエビを与える時の安全な方法と具体的な量
どれくらいの量なら安心なのか、どんな調理なら大丈夫なのかを知っておくと、迷いなく与えられるようになります。
ここからは実践的なポイントに目を向けていきましょう。
エビの正しい下処理と調理方法
まずは殻・尾(しっぽ)・脚・背わたを取り除き、塩や酒などで味付けをせずに茹でるか蒸すだけのシンプルな調理にします。
加熱ムラがあると生の部分が残るため、電子レンジを使う場合は特に注意が必要です。
冷ましてから刻んであげると小型犬でも食べやすくなります。
味付けされた料理はどれも負担が大きいため、エビフライやエビチリなどは避けてください。
犬の体重別・年齢別の適量の目安
エビの適量は体格によって異なります。
あくまで“一日の摂取カロリーの10%以内”が基本です。
- 小型犬(5kg前後):エビ1〜2尾の身を細かくカット
- 中型犬(10kg前後):2〜3尾分
- 大型犬(20kg以上):3〜4尾を目安に調整
ただし、これは体調が安定した成犬の場合です。
子犬やシニア犬は量をさらに控えめにした方が安心です。
食べてはいけないエビ料理の例
エビフライやエビチリ、ガーリックシュリンプなどの“人間用エビ料理”はどれも犬には不向きです。
油分や塩分が多く、にんにくや香辛料は中毒症状を引き起こす可能性があります。
味付け前のエビを少し取り分けておくと、犬用と人用で分けやすく安心です。
犬がエビを食べたあとに注意すべき症状
エビを与えたあとは、愛犬の変化をよく観察することが欠かせません。
いつもと少し違う行動が見られた場合、早めに気づくことが大切です。
アレルギー反応の初期症状
アレルギーが出ている場合、次のような様子が見られることがあります。
- 体をかゆがる
- 皮膚が赤い・湿疹が出る
- 目のまわりや口の周りが腫れてくる
- そわそわして落ち着かない
呼吸が荒い、ぐったりしているなどの重い症状があれば、すぐに動物病院へ連絡してください。
下痢・嘔吐など体調不良が見られた時の対処法
軽い嘔吐ややわらかい便だけで、その後は元気がある場合は様子を見ることもあります。
ただ、何度も吐く・血便が出る・水が飲めないといった状態は危険です。
早めに獣医師の診察を受けるようにし、いつどのくらいエビを食べたかを説明すると診察がスムーズになります。
犬とエビに関するQ&A(よくある質問)
よくある疑問をまとめました。
気になっていたポイントが見つかるかもしれません。
Q1:犬に毎日エビをあげても大丈夫?
毎日は避けた方が安心です。
エビはあくまで“ときどき楽しむおやつ”という位置づけで考えましょう。
Q2:冷凍むきエビは使える?
冷凍むきエビでも、加熱していない場合は必ず火を通してください。
塩分が多めの商品は避けた方が無難です。
Q3:殻を粉にしてカルシウム代わりにできる?
家庭では細かくするのが難しく、尖った破片が残る可能性があります。
サプリや専用フードの方が安全です。
Q4:エビを食べたあとに少しかゆがっています
軽いアレルギー反応の可能性があります。
しばらく様子を見つつ、悪化するようなら動物病院へ相談してください。
まとめ|犬はエビを食べられるが安全な与え方が大切
エビは犬にとって完全に禁止の食材ではありませんが、与え方には注意が必要です。
“加熱していること”“殻を取り除くこと”“味付けしないこと”“少量にとどめること”の4つを守れば、安心して取り入れられます。
大切なのは、無理に食べさせようとしない姿勢です。
愛犬の様子を見ながら、喜んで食べるなら時々おやつとして楽しむくらいがちょうどいいでしょう。
不安な点があれば、気負わず獣医さんに相談してください。
愛犬の健康と、楽しい食事の時間を両立できるよう、正しい知識をもとに安全に取り入れていきましょう。

