さつまいもの害虫対策を甘く見てた…育てる前に知っておきたい事
去年、初めて家庭菜園でさつまいもを育てたら、途中から葉っぱがボロボロになってしまって…。
そんな経験はありませんか?「肥料もあげたし、水も忘れてないのに、なぜ?」と疑問に思った方も多いはずです。
実は、その原因の多くが“害虫”によるもの。見た目ではわかりづらい害虫の被害は、初心者ほど見落としがちです。
そして、一度食害が進んでしまうと、せっかくのさつまいもが収穫できなくなることも。
この記事では、「さつまいもの害虫対策ってどうすればいいの?」という疑問に答える形で、よく出る害虫の種類やその対策、実際に効果があった方法などをわかりやすく解説していきます。
害虫対策に成功すれば、元気に育ったさつまいもを秋に美味しくいただくことができます。失敗しない育て方をぜひ参考にしてくださいね。
さつまいもに付く害虫ってどんなの?初心者がまず知るべき基本
代表的な害虫① アブラムシ

アブラムシは春から秋にかけて発生しやすい害虫で、葉や茎に群がり植物の栄養を吸い取ります。
特に新芽に付きやすく、葉が丸まったり黄色くなったりするのがサインです。
小さな虫なので見逃しがちですが、放置すると大量発生し、ウイルスを媒介する危険もあります。
牛乳スプレーや石鹸水で簡単に駆除できるので、早期発見・早期対応がポイントです。
代表的な害虫② コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫は土の中で根を食べるため、被害に気付きにくいのが特徴です。
元気そうに見えた葉が突然しおれる場合、根が食われている可能性があります。
さつまいもがうまく育たず、形もいびつになる原因にも。
予防としては、苗を植える前に土をふるって幼虫を取り除く、または太陽熱消毒で土壌をリセットするのが効果的です。
代表的な害虫③ ハスモンヨトウ(夜に活動する厄介者)

ハスモンヨトウは夜行性のイモムシで、夜間に葉を食べてしまうため、朝にはすでにボロボロ…なんてことも。
昼間は葉の裏や土の中に潜んでいて見つけにくいため、夕方や夜に懐中電灯で確認すると発見しやすいです。
捕殺やBT剤(バチルス菌入りの自然派殺虫剤)の散布が有効です。
害虫が発生しやすい時期とサイン
さつまいもの害虫は5月〜10月にかけて活発になります。
特に気温が20度を超える頃からアブラムシやコガネムシの活動が本格化し、7〜9月はピーク。
葉に穴が開いていたり、変色・しおれが見られる場合は、害虫を疑いましょう。
早期発見のためには、週に2〜3回は葉や茎をチェックする習慣が重要です。
放っておくとどうなる?害虫被害で起こる3つの困りごと
葉が食べられて光合成できなくなる
葉が害虫に食べられてしまうと、植物が光合成できずに弱っていきます。
光合成はさつまいもに栄養を送るために必要不可欠な働きです。
そのため、葉がボロボロになると栄養が行き渡らず、芋が太りません。
一見小さな被害でも、収穫時に大きく影響が出るので注意が必要です。
さつまいもの形がいびつに育つことも
根に付く害虫がいると、さつまいもが傷つき、いびつな形に育ちやすくなります。
食べられなくなるわけではありませんが、収穫時の喜びが半減しますし、保存性も下がる傾向にあります。
できるだけ害虫を寄せ付けないようにすることが、美味しくて見た目もきれいなさつまいもを育てるコツです。
最悪、収穫できない事態に…
害虫の食害がひどくなると、茎が折れたり根が完全にダメになることもあります。
こうなると芋は育たず、収穫ゼロという残念な結果に。
特に初心者の方は「水や肥料は十分だったのに…」と原因がわからずショックを受けがちです。
被害を最小限に抑えるためにも、予防と早期対策が何より大切です。
私が実践して効果があった害虫対策ベスト5
① 不織布で物理的にシャットアウト
植え付け直後から不織布をかけておくと、アブラムシやコガネムシの飛来を物理的に防げます。
通気性がありながら害虫を通さない素材なので、特に苗が若いうちには効果抜群。
風で飛ばないように固定し、定期的にめくって中を確認しましょう。
② 木酢液・にんにくスプレーなど自然派アイテム
化学薬品を避けたい方には、木酢液やにんにく・唐辛子スプレーがおすすめです。
独特の匂いで害虫を遠ざける効果があり、人にも環境にもやさしいのが魅力。
週1〜2回、葉の表裏にまんべんなくスプレーすることで予防効果が期待できます。
③ 見つけたら即手で取る!こまめな見回り
一番シンプルで確実な方法が「見つけたら取る」こと。
毎朝や夕方に葉の裏や株元をチェックして、害虫を見つけ次第取り除くだけでも、かなりの予防になります。
特に夜行性のヨトウムシ類は夕方の見回りが効果的です。
④ コンパニオンプランツで虫を遠ざける
害虫を嫌がる植物をそばに植える「コンパニオンプランツ」も有効です。
例えば、ネギやニラ、バジルなどは害虫を寄せにくく、しかも料理にも使えるので一石二鳥。
混植することで土壌のバランスも整いやすくなります。
⑤ 土の中の害虫対策に「太陽熱消毒」が意外と効果的
植え付けの2週間前に、畝に透明ビニールをかけて地温を上げる「太陽熱消毒」も有効です。
これにより、土の中にいるコガネムシの幼虫や卵を死滅させることができます。
雑草の種や病原菌の抑制にもつながるため、一度は試してみる価値ありです。
農薬って使ってもいいの?家庭菜園での安全な使い方
市販の殺虫剤はどこまでOK?
家庭菜園向けに販売されている殺虫剤には、安全性の高いものが多くあります。
使用前には「家庭菜園可」「食用作物向け」と記載された製品を選び、用法用量を守ることが前提です。
スプレータイプなら必要な部分にだけ使えるので、過剰使用を避けやすいです。
無農薬にこだわる人向けの代替案も紹介
農薬を使いたくない場合は、自然素材を活かした方法がおすすめです。
木酢液、にんにくスプレー、コンパニオンプランツなどを組み合わせることで、ある程度の効果が見込めます。
ただし完全に害虫ゼロにはできないため、早期発見の習慣は必須です。
まとめ
さつまいもの害虫対策は「甘く見てると後悔する」ことがよくわかりましたね。
葉や根に潜む害虫は、気付いたときには被害が進行していることが多く、収穫に大きく影響します。
でも、事前の対策とこまめな見回り、自然素材やコンパニオンプランツの活用で、家庭菜園初心者でもじゅうぶん防げることも多いんです。
この記事を参考に、楽しく安全にさつまいもを育てて、秋の収穫を思いきり楽しんでくださいね